Other diseases of the nose
鼻前庭とは、鼻孔の開口部のすぐ内側(鼻毛の生えている部分)のことを言います。この部分は、鼻漏が付着しやすく、鼻をこすることや触ることで鼻前庭炎が起こります。
治療は、軟膏塗布を行い、炎症が強い場合は消炎剤や抗生物質の内服を行います。鼻毛を抜くと、毛穴から菌が入って炎症を起こすことがあるので、鼻毛はハサミで切るようにしましょう。
鼻の中央にある骨・軟骨のことを鼻中隔と言います。鼻中隔は成長期にある程度曲がることが多く、日本人の大人の約80%に鼻中隔の曲がり(わん曲)が見られます。鼻中隔わん曲があるだけならば治療は不要ですが、鼻中隔わん曲により鼻閉、頭重感が起こっている場合は、治療が必要となります。
根本的治療としては、鼻中隔矯正手術があります。これは鼻中隔の曲がっている部分の軟骨・骨を削り取るものです。通常は全身麻酔で行います。約5日~7日間の入院が必要となります。当院では行っていない治療なので、希望のある方には総合病院に紹介状を作成します。
鼻中隔わん曲症は、肥厚性鼻炎を伴うことが多いため、肥厚性鼻炎の治療(内服治療、レーザー治療)を行うことで鼻閉、頭重感が改善されることもあります。
鼻腔にできるポリープのことを鼻茸といいます。
鼻茸はアレルギー性鼻炎の方に比較的多く、鼻閉や嗅覚障害の原因となります。ほとんどは良性ですが、鼻出血を伴うものでは稀に悪性腫瘍のこともあり、組織検査が必要となります。
また鼻茸は喘息と関連することもあり、鼻茸と喘息を合併している方に鼻茸の治療を行うことで、喘息が改善に向かう場合もあります。
鼻茸が小さな段階では、薬物療法(抗アレルギー薬やステロイド点鼻薬)で改善の可能性があります。ある程度大きくなると切除手術が必要となります。鼻茸の切除手術は当院で行っていないため、希望のある方には総合病院に紹介状を作成します。
鼻出血のほとんどは、鼻中隔(鼻の中央の骨・軟骨)の前方に出血部位があります。鼻中隔の前方は、鼻をさわることによって傷がつきやすい場所です。また、くしゃみや咳をした時に血圧が上がり、鼻出血が起こることもあります。
鼻血が出た時は、ティッシュペーパーを鼻に詰めて、小鼻をつまむようにしてください。この時、座って、軽くうつむく体勢となることが重要です。頭を上向きにすると鼻血がのどに流れおりて、止血しにくくなります。
上記の処置により、通常は数分で止血します。ティッシュペーパーを取り出すときは、ゆっくりと取り出すようにしましょう。なかなか止血しない場合や、出血を繰り返す場合は耳鼻咽喉科を受診してください。
小児の鼻出血は、鼻炎による鼻症状が最初にあり、鼻をさわることによって起こるのが大多数です。大人の鼻出血は、それ以外に、高血圧、動脈硬化、腫瘍性の病気が隠れていることがあるので注意が必要です。
治療は、小児では薬物療法(鼻炎の内服薬、止血剤など)を行います。鼻漏や鼻のかゆみが止まれば、鼻出血は起こりにくくなるので、痛みを伴う処置は極力行わないようにしています。中学生以上では、薬物療法のほかに、出血部位を電気で焼くこともあります。
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